FM 未来のテクノロジー

deadbeef2010-03-09

読者の中には、WiFiのないところでオーディオストリーミングを再生しようとして切れ切れになってしまった人もいるだろう。
また、オーディオストリーミングを再生しているとスマートフォンのバッテリーがすぐになくなってしまうという人もいるだろう。


FMはそんな人たちのために開発された新しいテクノロジーだ。


FM(Frequency Modulation)は、無線通信テクノロジである。オーディオのダウンストリームを電波の周波数変調を行う事によって伝搬する。
ここではコーデックや圧縮が行われない。極めてダイレクトな伝搬方式である。


したがって、復調の際の計算量も小さく、低電圧のチップでもデコードが可能だ。というか、チップなしでも共振回路のスロープ特性を利用した周波数弁別器(ディスクリミネータ)によって復調できるため、モバイル機器を小さくする事ができ、バッテリー寿命も写真のようなモデルでは110時間と通常のモバイルオーディオの10倍に達している。


FMを利用してストリーミングを行っているサービスは無料で利用が可能である。最新ヒットチャートを聴く事ができるサービスなのに、月額基本料等がないのは魅力だ。
コンテンツはDJと呼ばれる管理人が作成するプレイリスト、トークやニュース等で構成される。プレイリストの作成に何時間も費やしたり、退屈しないようにPodcastを混ぜたりしなくても自動的にコンテンツが最適化されるのだ。


FMで規定されるのはダウンストリームのみであり、アップストリームにはユーザが選択したプロトコルが使用される。通常はSMTP(電子メール)またはFAXが使用される事が多い。アップストリームを使用する事でプレイリストを変更したり(歴史的な理由でこの行為は「リクエスト」と呼ばれる)、トークの内容に介入したりできる。


FMテクノロジーは、2009年9月にiPod nanoにも採用された。今後の発展が期待される。